各話あらすじ
ROUND1「栄光のカーナンバー」
2016年、第11回サイバーフォーミュラWGPXが開幕。
昨年の覇者・風見ハヤトもチャンピオンマシンのアスラーダに改造を加え開幕戦勝利を狙っていた。
しかし、ライバルチームはアスラーダ以上のマシンを投入。
ライバル達についてゆけず開幕戦、第2戦をノーポイントで終えたハヤト。
そして第3戦、勝つことにこだわり、焦りを感じたハヤトは無謀な運転でエンジンブローを起こしリタイヤしてしまう。
チャンピオン争いに出遅れたハヤトは、性能を上げられず悩むメンバーに怒りをぶつける。
昨年チャンプとしての自己非難。心ないバッシング、友人やライバルからの言葉。
ドライバーとして、人間としても未熟なハヤトにプレッシャーが重くのしかかる。
弱気になったハヤトはアスラーダに「オレ以外のやつがお前のドライバーになってもいいか?」と問いかける。アスラーダは「勝ち負けは関係ない。きみとレースを走り、きみと同じ夢を追うことができればいい」と言葉を返すのだった。
アスラーダの言葉に自分はアスラーダと走るのが好きだったことに気づいたハヤト。
第4戦、雨の中でのレースに全力が出せず苦戦する各チーム。闘志を取り戻したハヤトはアスラーダで激走し順位を追い上げる。ペースを上げるハヤトを心配するメンバー達だったが、ハヤトは冷静にマシンと自分自身をコントロールしていた。チャレンジャーとして思い切りレースを戦うハヤトは最終ターン、エフェクト・ファンを利用してトップのランドルをパス。
ついに念願の今期初ポイントを手にするのだった。
そんなハヤトを菅生修とある女性が見つていた。
ROUND2「復活!超音速の騎士」
第5戦 イギリスGP
アオイZIPフォーミュラはシューマッハ(菅生修)をドライバーに起用することを発表した。困惑するハヤトやあすかをよそに、シューマッハはサイバーフォーミュラの全ドライバーを「ワールドチャンプの資格がない」と挑発する。
一方、スゴウチームでは、原因不明のポーポジング現象に頭を抱えていた。
そこへ、前レースを修と共に見ていた女性が菅生オーナーと現れる。
彼女はみきの制止を気にも留めずアスラーダのセッティングに意見する。彼女はかつてアスラーダを風見広之と共に開発したというクレア・フォートラン。
ハヤトが走行中に感じた違和感は、アスラーダでさえ気づかなかったものだったが、クレアのアドバイスで簡単に解消。みきはクレアの能力に愕然とする。
クレアは菅生の新スタッフとして、ハヤトにレースで勝てる武器を用意すると宣言。
ハヤトも対シューマッハを意識し始めた。
一方、シューマッハはタイムアタックに入ったランドルに対し、アクシデントを装って妨害を加えリタイヤさせてしまう。予選落ちを喫したランドルはZIPのピットに怒鳴り込むが、シューマッハは「天才は予選落ちなどしないのだろうと」と更に挑発。
決勝、シューマッハはダントツで初優勝を飾る。
ハヤトは周回遅れになりながらもシューマッハを追撃したことにより3位入賞を果たした。
しかし、シューマッハは「メッキのはげたチャンピオン」と更に挑発する。
そんな兄にあすかは「あんたなんか兄さんとは思わない」と想い出のロケットを投げつけ去っていった。
ROUND3「新(ニュー)アスラーダ誕生」
ニューマシンのシェイクダウンのため、スゴウチームはファクトリーでスーパーアスラーダAKF-11のテスト走行を開始していた。
タイムアタックでのデータ採取でタイムのバラつきがあるとみきに言われたハヤト。
クレアはテクニックの差だと指摘し、第5戦の走行データをハヤトに見せ、シューマッハのコーナーでの完璧なまでにムダのないライン取りを説明した。
その夜、クレアの能力の高さを改めて目の当たりにしたみきは、自分のチーフとしての役割、能力に複雑な思いを抱いていた。
シューマッハと同じライン取りができるよう走り始めたハヤトだったがスーパーアスラーダのパワーを使いきれず成果が出ない。そんな時、先輩であるブリード加賀がファクトリーを訪れた。タイムが伸びないと悩むハヤトに加賀はスーパーアスラーダSA-01に市販用のサイバーシステムを積んで走り、見事シューマッハのタイムを抜いてみせる。
加賀のアドバイスを受けて、ハヤトは自分の理想的なコーナリングを模索するためにアスラーダのサポートをオフにして再チャレンジするが、暴れ馬と化したアスラーダを操れずなかなか答えが出せない。
クレアは加賀に依頼し、ハヤトにドックファイトを仕掛けさせた。加賀にひっぱられる形でハヤトの走りがみるみる変化していく。そしてオーバースピードでコーナーに突入。
ドリフトをするかの如くコーナーをターンしていった。
ついに、理想的なコーナリング、イナーシャルドリフトを完成させたのだった。
その一方で、ハヤトを信じられなかった自分の存在意義を見失ったみきは、密かにチームを離脱してしまう。
ROUND4「全開!イナーシャルドリフト
AKF-11を得たスゴウチームは第6戦の開催地アフリカに来ていた。
ハヤトはコースの路面状況を確認し、予選を決勝用のハードタイヤで走ることを決める。
予選用のQタイヤではグリップが良すぎる為、ドリフト走行には向かないからだ。
予選、イナーシャルドリフトを使い絶好調のハヤトだったが終了間際にランドルとシューマッハに抜かれ3位につける。
ポールポジション確実だと思っていたあすかはハヤトを元気づけようとするが、決勝では勝てると自信のあるハヤトを見て頼もしく思うのだった。
一方、良平からミキが姿を消したことを聞かされ心配していた新条は、偶然、街でミキと再開する。
スゴウを飛び出したみきは、グランプリ会場を彷徨っていた。みきは「自分より上手くアスラーダの戦闘力を引き出せる人がいるから自分の仕事はない。」と自信をなくしていた。夢を目指し、何度も挫折した新条にとってみきの心境は痛いほど理解できるものだった。「世界一のメカニックになること」夢をあきらめるなと励まし、ピットパスを手渡す。
決勝、ランドルはシューマッハに仕掛けられたトラップにかかりフライングしてしまう。
激昂するランドルは故意にブレーキを踏んでシューマッハに体当たりをする。眼のかすみで油断したシューマッハは、それをまともに食らって両者リタイヤ。その煽りでアスラーダも高圧タービンを破損してしまう。混乱するスゴウのピット。そこにみきが駆けつけ、軍手を2枚重ねにしてオーバーヒートするタービンをつかみ出した。火傷の激痛で失神する寸前、みきはハヤトにGOサインを出す。
ハヤトはみきの思いを受け取り、奇跡の大逆転。新条を抜き今期2勝目を挙げるのだった。
ROUND5「決戦の朝」
続くGPもシューマッハは絶対的な強さを見せつけていた。
スピードでは劣らぬハヤトだが、レースを組み立てる実力は及ばず常にシューマッハを追いかける立場から脱せずにいた。
一方シューマッハによってずっとペースを乱されたままのランドルは、グーデリアンを巻き込み大事故を起こしてしまう。そしてシューマッハにも異常が明らかに起こり始めていた。
全治3カ月の重傷を負ったグーデリアンを訪ねたハイネルは「強度と安全性に問題があったかもしれない」と謝罪する。そんなハイネルにグーデリアンは「シュティールは安全でいいマシンだ。証明する為に最終戦はお前が走れ」と返す。
一方、ハヤトとあすかは負傷したランドルの見舞いに訪れていた。
自分の走りを見失ったランドルは「こんなレース走る価値もない」と言い放つ。そんなランドルにハヤトは「最終戦で戦えないのは残念だ」と言い残し病室から去るのだった。
横浜に戻ったあすかはクレアが電話で修と会話しているところを偶然聞いてしまう。
修は去年スミスと対決した際に負ったわずかなダメージが視神経に影響しており、レースを続けるといずれ失明するというのだ。レーサー引退を決意した修は、「ハヤトを本当に強いレーサーにしたい。走れなくなる前に本当の勝利が持つ苦しさと喜びを伝えたい。」とサイバーフォーミュラに復帰したのだった。
最終戦、日本GP。ハヤトは持てる全ての力をかけてチャンプを取ると決意する。
一方、シューマッハの目の異常に気付いていたブールホルツは、この試合で引退することを告げたシューマッハに最後の勝負を挑むのだった。
そして、最終戦スタート。
直後、ハヤトとシューマッハのマシンがサンドトラップの中に。
レースの行方は・・・
ROUND6「この瞬間よ永遠に・・・」(最終回)
最終戦、コースアウトしたハヤトとシューマッハは最後尾からのスタートとなった。しかし2人は予選並みのラップタイムを出し驚異的な追い上げを見せる。
ハヤトは修のドライバーとしてのテクニック、闘志に改めて圧倒され、修もまた「お前が新しい時代の真のチャンプなら今、私に勝て。そして私を超えてみせろ。」と心の中でハヤトに向けて叫ぶ。
レース中盤、2人はついにランドルに追いつく。またもシューマッハにパスされ苛立つランドルだったがハヤトにぬかれたことにより「ハヤトにだけは負けたくない。」と自分のレースを取り戻した。さらに他のドライバー達も二人の勢いに煽られ奮闘し、大混戦となる。
しかし、その最中シューマッハの目は限界に。高速走行に耐えられないことを悟り、マシンを止めてしまう。
「チャンピオンを獲っても、あなたに勝てなければ何の価値もない。最後まであなたと走りたい」と訴えるハヤト。「自分の限界と戦ってゴールを目指す」決して諦めないという闘志、レーサーの一番大切なものを思い出したシューマッハは、両目を閉じ、サイバーシステムを音声サポートのみにしてレースに挑む。
最終コーナーに向かっていたトップグループの新条、ランドル、ハイネル、ブーツホルツは緊急ピットイン。ハヤト、シューマッハと勝負してこそ真のチャンピオンだと二人が追いつくタイミングで迎え撃つ。
6台はついにファイナルラップを迎えバトルは更にヒートアップ。
シューマッハは視界がないとは思えぬ完璧な走りでトップに出る。
最後の6連バンク、シューマッハ、ハヤト、ランドル、新条によるスリップストリームの三重奏から最終ストレートに突入。トップで現れたのはアスラーダ!ハヤトはトップでゴール。続いてランドル、3位に新条、4位シューマッハ。
この瞬間、ハヤトはワールドチャンピオン、2年連続の栄冠ダブルワンを手に入れたのだった!