各話あらすじ
第1話:運命を決めた日
弱小チームのスゴウアスラーダは、全日本グランプリへの出場権を争う富士岡クオリファイのためにニューマシン「アスラーダG.S.X」の投入を計画。しかしマシンの搬送中、突如謎のヘリからの襲撃を受ける。バイクで同行していたハヤトは、緊迫した状況の中、アスラーダを単身富士岡サーキットまで届けることになってしまう。サイバーマシンのドライビングは初心者であるハヤトにとって、なかなか扱いにくく苦戦するが、無事に車検の締め切り時刻ギリギリで到着することができた。
しかしレース本番が翌日に迫っている中、ハヤトがアスラーダにドライバーとして登録されてしまっていることが判明する。
第2話:最年少レーサー誕生
アスラーダのドライバー登録システムは、解除しようとすると1週間はかかるという複雑なもの。レース本番が間近に迫った今、チームの正規ドライバーである日吉がアスラーダで出場できなくなってしまった。チームの夢である全日本グランプリを諦めてレースを棄権するか、素人であるハヤトが出場するか…しかし素人が勝てるほどサイバーフォーミュラのグランプリは甘くない。成り行きとは言え、チームのメンバーに迷惑を掛けてしまい深く落ち込むハヤト。そんなハヤトに向かって、アスラーダは勝てる可能性は非常に低いが、ゼロではない、と告げる。その言葉を胸に、ハヤトはついにレースへの出場を決意する。
第3話:燃えろ!ハヤト
初めてのレースに挑むハヤト。しかし身体にかかる予想以上のGや、思うようにマシンの操縦ができないイライラで心身共に消耗していく。そんなハヤトとは対照的に、アオイフォーミュラの新条は初参戦ながら驚嘆のドライビングを見せつける。コース上で新条と遭遇したハヤトは、ムキになって新条を追い、あわやクラッシュという事態を引き起こしてしまう。しかし接触時の走行ラインを解析した牧により、ハヤトが無意識のうちにバイクのテクニックのひとつであるアクセルターンをやってのけたことが判明。もともとバイクレーサー志望だったハヤトはバイクの乗車感覚を応用し、徐々にサイバーフォーミュラの操縦のコツをつかみ、最下位ながらも予選を突破する。
第4話:富士岡グランプリ決勝
ついに決勝が始まった。しかしアオイのオーナー、今日子にドライビングの甘さを指摘されたハヤトは、なかなか調子が出せない。本来のレースマナーなら周回遅れのマシンはトップにラインを空けなければならないが、最下位争いに夢中のハヤトは、新条にラインを譲るどころか、逆に新条を巻き込んでコースアウトしてしまう。巻き返そうと、凄まじい勢いでトップへと迫る新条。その様子をピットで見ていたハヤトは、アスラーダに新条の無駄のない走行ラインをトレースさせ、大逆転を果たそうと試みる。
第5話:目指せ!全日本グランプリ
ニセコサーキットで行われる全日本グランプリに出場するため、陸路で北海道に向かうスゴウチーム。
旅は順調だったが、途中立ち寄ったサービスエリアで、臨時ニュースで入った誘拐事件の被害者の女の子を偶然発見してしまう。ハヤトたちは誘拐事件の犯人と思われる男を取り押さえることに成功するが、その男は本当の誘拐犯ではなかった。混乱に乗じて犯人は女の子を人質にしたまま容疑をかけられた加賀のマシンで逃走。それをアスラーダで追撃するハヤト。加賀も自分のマシンを取り戻すためにアスラーダの助手席に乗車する。しかし加賀のマシン、プロトジャガーは素人の操縦でも充分手強いマシンだった。加賀はハヤトの保守的なドライビングにしびれを切らし、アスラーダからデータを得て次々とハヤトにドライビング指示をしていき、見事停車させることに成功する。
ハヤトは加賀が助言したドライビングテクニックは、クラッシュレースのものだったと聞かされる。
第6話:北海道の自然児
ペイや牧たちはタイヤ交換の練習に熱心に取り組んでいた。特にデータ解析が専門の牧に至っては、全くの専門外であったが、人手不足の現状、今いるクルーだけで何とかしなければならなかった。すこしでもタイムを縮めるために深夜まで単身特訓する牧の姿にハヤトも触発され、苦手なコーナリングを克服するために練習に出かける。しかしそれを待っていたかのように謎の車両軍団がハヤトとアスラーダに襲いかかる。ハヤトは必死で逃げるが、コーナリングの甘さがピンチを招いてしまう。そこへ、朝知り合ったばかりの大友譲二がアルバトランダーで現れ、コーナリングのタイミングをハヤトに助言する。それが功を奏し、ハヤトは見事に追撃車両を振り切り、コーナリングも克服することができたのだった。
第7話:世界へのライセンス
全日本グランプリの予選で好成績を上げるハヤト。しかしそんなハヤトの前に、新たなる刺客としてブーツホルツが立ちはだかる。いよいよ本格的にハヤトを潰してアスラーダを奪おうというのだ。
レース開始後、さっそくブーツホルツから攻撃を受けるハヤト。サーキット上では熱いドッグファイトが展開。
「レースの勝敗はタイヤが決める」。そうハヤトに告げた大友が、2ラップ目にして早くもピットイン。
続いてハヤトもアスラーダの反対を振り切ってピットに入り、みきたちにレインタイヤを用意させる。特に天候が悪化しているわけでもない状況で、順位を落とすだけのマイナス行為にピットクルーは戸惑いを見せる。しかし、レインタイヤに履き替えた途端、雨が降り出したのだった。大友の自然を読む感性と、それを信じたハヤトの勝利だった。ジャストのタイミングで履き替えたレインタイヤを武器に、ハヤトは急速に順位を上げていく!
第8話:雨のニセコ決勝
突然の豪雨によって混乱するサーキット。こぞってピットインする他車を横目に、逸早くピット作業を済ませたハヤトと大友が有利に立った。二人が大幅にほかを引き離す中、新条だけが冷静に事態を察知し、レインタイヤへのチェンジを思い切って1ラップ分パスする。ブーツホルツの妨害も思うようにならず、あえなくリタイヤ。さらに招待選手として期待されていたグーデリアンとハイネルもリタイアしてしまい、レースそっちのけで喧嘩をしてしまうなど、大荒れのレース展開となる。1ラップ遅れとは言え、ピットの混乱をやりすごした新条はスムーズなタイヤチェンジで3位をキープ。そのまま1位の大友、2位のハヤトに大きく迫る。そして持ち前のドライビングテクニックと、一歩早めのスリックタイヤへの交換で更にジャンプアップ。ついにハヤト、大友をかわしトップに踊り出る。
3位以内に入賞し、スーパーライセンスを獲得すれば世界グランプリに出場できるとあって、ハヤトの闘志もヒートアップ。意地でも3位に入賞しようと、なりふりかまわぬブースト加速を仕掛け、フロントタイヤをバーストさせながらも力ずくでゴールにねじ込む!ハヤトは自力で3位を掴み取ることに成功する。
第9話:嵐の旅立ち
世界グランプリ第1戦の地、アメリカ・グランドキャニオンまでの道のりを、資金の節約からスゴウは船で海路を行くこととなる。のんびりと海の旅を楽しむハヤトたち。そこでハヤトとあすかは、互いに心配に思っていることを打ち明ける。連絡のとれないハヤトの父母、そして失踪したあすかの兄、菅生修のことだ。
第1戦に向けて次第にチームの緊張感は高まっていく折、ペイが整備中に負傷してしまった。しかも輸血に必要な血液型が特殊だったため、片道2時間かかる米軍基地まで行かなければ手に入らない!このままではペイの命が危ない。そこでハヤトはアスラーダでの海上輸送を決意すると、みきたちにアスラーダを水上走行タイプに換装してもらい、ペイを乗せて出発する。大荒れ状態の海上で、ハヤトはペイを助けるために疾走する。
そのファイトが功を奏し、ペイは一命をとりとめるのだった。
第10話:ワールドグランプリ開催
アメリカ・グランドキャニオンに到着するスゴウチーム。ドライブインで食事をとることにしたハヤトたちは、明日のレースに胸を躍らせていた。その様子をイギリスの覆面レーサー、ナイト・シューマッハが、離れたテーブルからじっと見つめていた。ハヤトやあすかを、まるで昔から知っているようなシューマッハ。ハヤトたちの知らないところで、事態は進んでいく。
食事から戻って作業を始めるハヤト。あすかはそんなハヤトに差し入れをしようとして、木陰からこちらの様子を伺う謎の人影を発見した。緊迫した雰囲気がハヤトを包む。加えて、ハヤトが絶対にグランプリに優勝しなければならないと告げる謎の電話も入りハヤトたちの緊張感を高めていった。そうしている間にもグランプリは開幕し、予選という戦いの火蓋は切って落とされるのだった。