各話あらすじ
第31話:第7戦 ブリード加賀見参!
第7戦の地、ケニヤ。葵今日子はこの一戦から新たなチーム、アオイZIPフォーミュラを立ち上げた。 ドライバーにブリード加賀を迎え、クルーには新条のチームにいたエキスパートたちが抜擢された。 事実上二軍扱いされ、新しいクルーに当り散らして荒れる新条。案の定レースでは実力を発揮できず、ステアリングを誤って加賀と接触。ぬかるみにはまってしまう。助けを申し出たハヤトの救助を断り、無事に脱出するも、最下位でフィニッシュ。打ち負かされ、疲れ果ててモーターホームへ戻る彼だったが、そこに待っていてくれるクルーはひとりもいなかった…
第32話:第7戦 執念のゴールイン
デビュー時代を知るみきに、F3時代はもっとマシだったよ、と一喝され、ようやく自分の間違いに気が付いた新条は片桐たちクルーに誠意を持って謝罪し、彼らとの信頼関係を築いていく。レースでは後れを取り戻すべく、マシンパワーを限界まで上げてブーストを多用しながら進むが、燃料切れを起こしてしまう。誰もがリタイヤを予想したが、新条は諦めなかった。すぐ目の前にあるゴールを目指して、マシンを手で押し始めたのだ。結局優勝を目の前で逃し、5位に甘んじるものの、レーサーとして完全に立ち直った。そんな新条に、みきはおにぎりを差し入れした。
第33話:奇跡の第8戦! 大波の死闘
第8戦はスペインの海上サーキット。予選終了後、ランドルは市街地で買い物途中のあすかと遭遇。ハヤトのことばかりを語るあすかに、対抗心を燃やしたランドルは本戦でハヤトに勝ったらあすかのキスをもらうと一方的に決めてしまう。そのことをレース当日に聞いたハヤトは、ランドルに一歩も引かない走りで対抗。上から大波が襲い来る、海面スレスレのマーメイドストレートでも二人ともブースト加速で突っ走る。コースが二股に分かれるケルベロスコーナーでは、ほぼ同時のタイミングで合流ポイントへと突っ込んだ。あわや接触、というところでハヤトはランドルをかわすと、そのままゴールイン。ドライビングを誤ったランドルは、そのまま海に転落してしまい、ハヤトはレースに勝利する。
第34話:ハヤト対アスラーダ! 第9戦決勝
プレラストとなる第9戦は、サイバーシステムを利用したドイツのドーム内サーキットが舞台だ。いつも通りサーキット付近でキャンプをしていた大友は、下見に来ていたハヤトと新条をテントに招く。先に行われた予選での大友の不調を心配する新条に、大友はサイバーシステムに支配されるこのサーキットだけは好きになれないと告白する。
決勝のハヤトは、信頼するアスラーダのサポートということもあり、絶好調だった。しかしやや不安定な大友の走りを、コースをゆずってくれたのだと勘違いして、接触してしまう。サイバーシステムを信用できなかった大友は、システムを切っていたことで、大クラッシュを起こしてしまう。大友の事故の原因がアスラーダの指示であると思い込んだハヤトは、アスラーダへの不信感を募らせてしまう。
第35話:傷だらけのレーサー
第9戦で大クラッシュを引き起こし、重症を負った大友は病院に搬送された。大友の事故の原因はアスラーダのせいだと疑念を募らせるハヤト。病院からモーターホームに戻ったハヤトに、事故を解析していた牧がアスラーダはどこも故障していないことを説明するが、それでもハヤトは納得できなかった。しかし大友の状況が芳しくなく、回復してもサイバーフォーミュラへの復帰は絶望的だと知り、ついに耐えられなくなったハヤトはアスラーダを破壊しようするが、駆けつけたクルーたちによって取り押さえられる。やがて意識を取り戻した大友から、ハヤトにもアスラーダにも何の責任もないのだと伝えられ、チーム内の絆も、アスラーダとの信頼関係も、メンタル面でも、すべてを再認識し、最終決戦に挑むために日本へと向かうのだった。
第36話:三強激突! 日本グランプリ
最後の決戦を控え、どのチームも万全の体制で闘志に火をつける。しかしスゴウチームは前回のドイツグランプリでのクラッシュから今日まで、スーパーアスラーダの修理がまだ完全に終わっていなかった。そこでハヤトは、スタート地点の北海道からコースの三分の二を過ぎた浦和までGSXでノーミス+無給油で走ることを提案。
いよいよ最後のレースの火蓋は切って落とされた。旧マシンながらコースを順調にこなしてきたハヤトだったが、第一サービスポイント前にラジエータにダメージを受ける。ハヤトは仲間たちの待つ浦和を目指すが、さらに直前でタイヤバーストに見舞われ、火花を散らしギリギリの走行状態ながらも滑り込む。待ちかまえていたクルーは急いでサイバーシステムをスーパーアスラーダに移し替える。修からのアドバイスを国際電話で受け取り、あすかに送り出されてハヤトはスーパーアスラーダに乗り込んだ。
第37話:栄光のウイナーズ
走行距離に合わせ、出力を高めに設定したスーパーアスラーダでみるみる順位を上げていくハヤト。青木ケ原に到着する頃には、トップ争い圏内に入っていた。同じくトップを争っていた加賀は、今日子からの不当な指示に反発して、富士岡を目前に自らリタイヤする。そして新条、ランドル、ハヤトの3人で争うこととなった世界チャンピオン。いよいよ勝負は富士岡サーキットに持ち越され、デットヒートを展開する。ハヤトは6Gもの負担がかかる難所「トルネードバンク」を、修のアドバイスを思い出し、視界が一時的に失われる「ブラックアウト現象」に見舞われながらもアクセルを緩めることなく立ち向かってゆく。
3人のバトルは世界中のファンを釘付けにしていた。大勢の人たちに見守られ、今、決戦は終わりを告げる。ハヤトがトルネードバンクで新条を抜き去ったのだ。瞬間、ハヤトの意識は飛んでしまう。同時に振られるチェッカーフラッグ。ハヤトはトップでゴールインし、世界チャンピオンの栄光を手にしたのだ。サイバーフォーミュラ史上最年少チャンプの誕生である。